読書録1

読んでみて心に残った本を、時々ご紹介していきたいと思います。
今回は第1回、間もなく映画も公開になる話題の本です。

この本は、癌の多発転移により主治医に「急に具合が悪くなるかもしれない」と宣告された哲学者 宮野真生子さんと、魂の言葉でまさに全力投球で向き合った人類学者 磯野真穂さんの間で交わされた10便にわたる往復書簡の記録です。
言葉を扱う学者であるお二人が、覚悟を決めて確かな書き言葉で関係性を作り上げていく経過が刻まれています。心に響く言葉が満載です。
中でも、特に印象に残った文章を次に挙げます。

『関係性を作り上げるとは、握手をして立ち止まることでも、受け止めることでもなく、運動の中でラインを描き続けながら、共に世界を通り抜け、その動きの中で、互いにとって心地よい言葉や身振りを見つけ出し、それを踏み跡として、次の一歩を踏み出してゆく。そういう知覚の伴った運動なのではないでしょうか?』

そんなふうに、人との関係性を作り上げながら生きていきたいものだなーと思います。

(A)